Monthly Archives: October 2015

The Next 100 Years by George Friedman

The Next 100 Years by George Friedman,  2010

様々なビジネスがこの世の中にはあるのだなあと思った。この本の作者は「情報(インテリジェンス)と予測・予告(フォーキャスト)」をお客に売る会社Stratforの設立者で、オースティンのどこかに住んでおられるのだそうだ。

これから100年後がどのような世界なのかは誰にでも言える。発言の自由が保障されている限り、誰でも好き勝手なことが書ける。但し、「なるほど」と聞く人、読む人が納得させられるような予測は誰にでもできるものではない。ニューヨークタイムズのベストセラーにリストされるような情報分析・予測ができる人は特殊なその筋の方なのだろうという予測くらいは私にもできる。家にたまたまあったので、読んで見た。全部が「なるほど納得」とはいかなかった。が、前の100年で起きた周期的な地政的紛争、避けられなかった不況の説明は役立つ情報だった。

1900年 ヨーロッパは好況で、平和で、人々は全てがうまくいっていると感じていた。ヨーロッパが世界をコントロールするのだと。

1920年夏、ヨーロッパは瓦解した。その後、アメリカ、日本が浮上してきた。条約によって、ドイツは再浮上が難しいようにさせられた。

1940年 ドイツは再浮上し、フランスを占領し、ヨーロッパ全体をにらみをきかせた。ソビエトでは共産主義が生き延び、一人イギリスがドイツに対抗した。

1960年 戦争に敗れたドイツだけでなく、ヨーロッパ全体がソビエトチームとアメリカチームに分けられて、二つのチームがにらみ合った。一方、毛沢東率いる中国も穏やかではなかった。

1980年 アメリカはソビエトではなく、共産主義の北ベトナムに戦争で負けた。ベトナムに触手を伸ばしたソビエトに対抗するためにアメリカは中国に接近し、大統領と毛主席が握手をした。

2000年 ソビエト連邦は完全に崩壊した。世界的に富は栄え、平和で、紛争はハイチやコソボなど、地域的ものだと解釈された。そして、

2001年 9・11事件がおこった。

フリードマンは説明する。イスラム教徒たちにとって、かってのようなイスラム大帝国を構築しようという流れの中ではどうしてもアメリカを戦いに引き込む必要があった。アメリカは反撃し、イスラムの地に侵入したが、別に勝利を収めるのが目的ではない。ゴールはイスラム帝国が立ち上がるのを防げばいいだけである。

彼はCIAに関係した人だから、戦争は周期的に起こる山火事くらいに捉えているのだろう。彼はさらに、21世紀は小さな戦争が頻発するだろうが、大惨事にいたるようなものではないと言っている。

さらに続けて、この先、ロシアは人口減少、社会的基盤の不整備などで、力が弱る。彼はまた、現在、経済快進劇を演じて、アメリカの脅威となるだろうと思われているが中国は脅威とはならないと断言する。中国には強力な海軍がなく、そのシステムも整備されていない。それを増強するのは簡単ではないというのが一つの理由。また、過去、中国が外国に門戸を開放すると、沿岸部ばかりが栄え、内陸部は富を共有できなかった。今回もそれは起きている。この経済的不公平を是正しようとする動きが起きて、不安定になり、国力が衰えていく。

そういう状況の中で日本は再びアジアを圧倒する。韓国は日本に対抗するためにアメリカ、中国と組み、日本は孤立し、、、、エネルギーの取り合いなどが起こると戦争にでるだろうと、あまり聞きたくないことを2010年前に予測した。

2015年には石油の値段が急激な降下を見せた。中国と韓国は手を握り合うようにして、国際機関を動かして日本の過去の行いを現在の政治的資産にしようと企てている。中国とアメリカが南沙諸島問題で睨み合い(プロレスのような筋書きがあるのかどうか不明)、韓国は中国に擦り寄りながら、アメリカへの態度は明確にはしていない。人口減、医療費増大などの問題を抱えながら、日本は将来的にアジアを圧倒すると言えるのだろうか。

 

 

The Defining Decade by Meg Jay, PhD

The Defining Decade by Meg Jay, PhD

職無し、金無し、家無し、彼女無し(彼氏無し)のナイナイづくしの若者に、何故、10代、30代、ではなくて、20代が「決めの時」なのかを実例をあげながら説明している。そして、その時期を逃すなと。

筆者自身も、大学卒業直後は、この「今すぐに人生の方向を決めなくたっていいさ」グループのライフスタイルに近かった。が、一念発起して、大学院と博士課程で心理療法を収めた後、若者を対象に心理療法を施している。

本で紹介されている例からすると、療法というよりは大人の仲間入りを拒む若者のライフコーチグをしているように思える。もちろん、何故、先に進まないかを探るときには専門の心理学の知識が必要なのだろう。実は彼女がこの本で訴えかけたい若者は、社会のどん底にいる、ナイナイづくしの若者ではなくて、

  •  大学は卒業した。だが、一時的でしかない仕事をしていて、停滞している
  •  人生は長い。今のうちに(20代)悠々、快適人生を楽しんでおこう。企業戦士に取り込まれたり、結婚などは30歳になってからだと先送りをぼんやりと決めている
  •  職無しではないが、一時的、あるいは先の見えないサービス業にいる
  •  彼女、彼氏と言える様な安定したパートナーを持たずに、一時的な性関係だけを求めて次から次に相手を変えていく
  •  拘束されずに自由でいるつもりでも決してゆとりのある気分ではなく、現状に満足していない

この状態から抜け出すちょっとした、ヒントというか、きっかけになるかもしれない実際例を紹介している。

バーテンダーをしていた女性が、ロースクールに入るために、どういうステップを踏んだのか。離婚をした親の間を小さい頃から行き来していたために放せなくなったバックパックはどういう意味があるのか。そのわだかまりを解いた上で、先に進んでいく青年の例など、渦中にいる若者が読むと自分と重ねることができるのではないだろうか。

 

「人に強くなる極意」 佐藤優

「人に強くなる極意」佐藤優、青春出版社

怒らない
びびらない
飾らない
侮らない
断らない
お金に振り回されない
あきらめない
先送りしない

と題された8つの章で本は成り立っている。「人に強くなる極意」と言うと、人を蹴散らかして、動的に強く生き残るためににはどうしたらよいかを説く指南書のように聞こえるが違う。むしろ、静かにクールに様々な出来事に対処できるような頭を持つためにはどうしたらいいかを8つの視点から教えている。

怒りとは何か、びびるとはどういう事か。
何故怒るのか、びびるのか。
怒るとどうなるのか、びびるのは何故不利なのか。
そのようにならないためには何が必要で、どのような考え方をしたらいいのか。

感情という自分の中に抱えるモンスターをいかに飼いならすか。

流石に元外務省の情報分析官だけに著者の方法は論理的な分析に尽きる。例えば、怒りが沸いてきた場合、それが何処から来ているのか。コンプレックスから出ているなら、何故コンプレックスを持つのか、それを第三者的に分析して紙に書き出していく。そうするうちに冷静になって、違う見方ができたりする。切れて暴走せずに、心のギアをどのようにシフトさせるか、そのアイディアが出されている。

「先送りしない」の章では冒頭で、物事には「先送りしていいもの」と「先送りしてはいけないもの」があると、当たり前だがホッとできることを断言している。そして、つい先延ばししてしまう、そのメカニズムを説明する。

行動経済学の「時間割引率」という説明はなるほどと思わせられ、これがギャンブルとも関係しているというのも面白かった。