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「女ひとり世界に翔ぶ」小野節子

「女ひとり世界に翔ぶ - 内側からみた世界銀行」2005年

巡り巡って、ここオースティンの古本屋の棚に並んでいた。オースティンにはない紀伊國屋の21ドルのラベルが付いているので、アメリカのどこか国際機関で働く人、あるいは働きたい人に買われ続けたのだろうと想像しながらページをめくった。めくった途端に、

「不平等を助長する先進諸国」と、先進諸国が後進国に財政援助をして、社会の発展に貢献しているようでいて、実際はいかに不平等を助長しているか、というプロローグが目に飛び込んできた。著者は世界銀行でモーリタニアを8年にわたり担当して資金援助ができるようにしながら、外からの開発援助の効果に疑問を抱いて、その職を去った。

若くて高い理想を抱いた実務家が、自分の利益に走る管理職、役人などに怒りとフラストレーションんを覚え、吐き出した本だろう、それにしても実名で日本の役人や政治家の名前が出てくるので、大胆な人だと思った。それもその筈、読み進むうちに、彼女はヨーコ・オノさんの妹さんだという事が分かった。表紙の写真を見直したら、ヨーコさん自身かと思えるほど良く似ていた。

誰に対しても遠慮をしたり物怖じせずに物申す態度は良い意味で誇れる家柄の育ちだということが分かる。家族の写真の中には一緒にお姉さんが写っているが、それは、まだ小野家の洋子さんのような姿だ。ヨーコさんについては、本の内容とは関係ないため、(私たち一般人が聞きたいようなことには)触れていない。

国際機関に来る日本人の多くは軽く見られているそうで、その実例が詳述されている。官庁から一時的にお暇を出されて出向しているような人は、帰ってからのポジションが大事で、そのための行動を取るので、日本人はお金を出すが口は出さない都合の良い人間に見られているようだ。政治力がないため、使い道が失くなると簡単に捨てられるそうで、それに元々、世界的政治的宮廷で争うには日本人はあまりにお人好しで、弱虫かもしれない。国民として怒るべきは、不要な個人的な目的で、平気で税金が使われているという点。

ブッシュ政権でイラク戦争を煽った人、Paul Wofwitzが世界銀行の総裁をしていたのを思い出して、検索したら、丁度この本が出版された頃だった。そういう経歴の持ち主が、簡単にそういう役職に就けるなんて嫌だなと思ったのだが、彼は世界銀行で働いていたパートナーとのスキャンダルが持ち上がり、2007年に辞めた。そういう輩が蠢く宮廷みたいな場所で、批判をしつつも理想を失わない強さは尊敬に値する。世界銀行を含める世界の機関は同じようなものだろう。そのような場所で働きたい人には役に立つ本だと思える。

 

 

Cooper’s Adventure, Escape to Austin 英語版

Tomoko Hetheringtonの名前で出している絵本のシリーズ Cooper’s Adventuresシリーズの英語版 Escape to Austinが届き、Amazon.com書店で販売されるようになった。英語/日本語バイリンガルと両方が表示されている。

Screen Shot 2016-01-05 at 11.33.48 AM

http:/http://www.amazon.com/s/ref=nb_sb_noss?url=search-alias%3Daps&field-keywords=Escape+to+austin+Tomoko+Hetherington