Monthly Archives: March 2016

フットボール映画 The Replacements (リプレイスメント)

映画 The Replacements (リプレイスメント)ー 勇気と自他への信頼

公開2000年、製作 Warner Bros. and others 、脚本 Vince Mckewin

公開当時も今も、この作品について情熱的に語る人を見ないが、フットボール映画の要素が詰まった明るい映画。

あらすじ

プロフットボール、NFLの選手がシーズンの重要な節目でストに入ったため、困ったワシントン・センチネルスのオーナーは引退した元コーチのマクギンティー(ジーン・ハックマン)を引っ張り出して穴を埋めつつ代理選手の入ったチームを見てもらう。どのようにやろうとも、口出しを一切しないという条件で彼はその役を引き受けた。

クォーターバックにはフットボール一流大学のオハイオ州立大学を率いてSugar Bowlで戦ったにもかかわらず大敗を喫して、それから立ち上がれず隠遁者のように暮しているファルコ(キアヌ・リーブス)をスカウトした。その他、オフェンスラインには元相撲取り、足は早いがボールをキャッチできないワイドレシーパー、ギャングに脅迫されているキッカーなど、お決まりの負け犬集団で耳の不自由なタイトエンドもいる。4試合のうち、3試合を勝てばプレイオフに進めるのだが、1試合目はファルコの勝てないジンクス、メンバーがお互いに信頼できないなどが災いして負けた。

2、3試合は普通ではない勝ち方で観客を沸かせ味方につけた。

最終戦は強豪のダラス。誰もが興奮気味に試合に臨むつもりでいたところ、クォーターバックの正選手がストをやめて戻ってきたため、ファルコの出番は無くなった。誰もがそれには落胆したが仕方がない。プリマドンナのようなクォーターバックは他のメンバーとうまく繋がらずに前半を0で終えたが、後半をどのように戦いぬくのか。

But you got hurt a lot. And worst of all, you never could win the big game.

 ファルコはプレイを恐れている。また、負けるのではないかと自分を信頼していない。殊に、試合が弱い方に傾くと、流砂に飲み込まれたように怖気付く自分を知っている。コーチは過去の負けの経験を振り払って、ファルコが自分のスキルとチームメンバーを信頼して勝てるように言葉を尽くして説得する。

スクリーンの中の負け犬を現実の自分と照らし合わせ、その登場人物が勝ち上がって行くのを我が事のように観るのがスポーツ映画の真髄だ。代理選手たちが、今後、 二度とNFLでプレイできなくとも、この戦いに勝利できたことを一生誇りに生きていけるだろうと内心泣いてる男たちがいるのではないだろうか。

ASA 我が街かわら版 「ひらめが見たテキサス(番外編)」

chiken shit bingoテキサス便りも、この番外編で最後となりました。読み返してみると、食べもの、家族、友人のことばかりです。最後に、私が顔を出したテキサスならではの珍奇なイベント“Chicken Shit Bingo”の話を。

それはオースティン市内の古いバーで行われたビンゴの一種で、混み合ったホールの隅に置かれた鶏のケージが使われます。床には1から50の番号が振られていてそこへ満腹顔の鶏が登場。もうお分かりでしょう、どの番号の上に鶏が糞をするか、2ドルの券を買って賭けるのです。ウンの強い客は50人から集めた100ドルを独り占めできます。残念ながら私はビールを片手に鶏に”Shit! Shit! (クソをしろ!)“と他の客と一緒に叫ぶだけに終わりましたが、愉快な体験でした。

 

 

91bBJ3WXlnL._SL1500_私ごとになりますが、私は「ブルシット!Bullshit!」という題の語学エッセーの本を出版したばかりでした。みんな、やたら「シット」(クソッたれ)と言うのに関心を持ったからです。それで「シット」にはとても親近感があったのです。

escape to ausitnその後2冊目の本「Cooper’s Adventures, Escape to Austinを出しました。家族の一員だった猫に愛を込めて作った日英バイリンガル絵本です。どちらもテキサスの暮らしと家族がベースになりました。

私の見聞録が決め手となったわけではないでしょうが、夏に全日空がヒューストンに、秋には日本航空がダラスに直行便を飛ばし始めました。もうテキサスは遠くありません。皆様のお越しをお待ちしております。

ASA 我が街かわら版 「ひらめが見たテキサス(12)」

サンアントニオで落語
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古今亭菊志んさんによるに第5回落語公演会はテキサス大学サンアントニオ校で開催されました。講堂に入ると、トントンチントト ヒュー ストトントンとお囃子が聞こえて、ステージ中央には赤い布で包まれた台と紫の座布団が置かれて、開始の知らせを待つばかり。私が噺家なら、

「人間というもんは五感の方が頭より先に動くんでございまして、イカ焼きの匂いを嗅げば秋祭り。おっかさんに『買っておくれ~』とせがんで怒られた事が思い浮かぶんでございます。また、この、お囃子が聞こえてくれば、それはもうテキサスにいることなんぞ忘れて昭和の日本に戻ってしまうんでございます」

と話したと思うのですが、壇上に現われた菊志んさんは、アメリカのホテルに滞在中、電話で水(ウォラー)を頼んだらバター(バラー)が届いたという話で一先ず笑わせてから古典落語の「時そば」に入りました。

 

観客の中には日本人小学生が沢山います。江戸が舞台の話を分かるのだろうかと思ったのですが、菊志んさんが扇子を箸に見立てて手に持ち「ハフハッフ、ズズーッ」とソバを啜る度に度に体を揺すって喜びます。なるほど、子供はこういう楽しみ方をするのかと感心しました。

「そうなんでございますよ。言葉より体全 体から発する勢いというものを子供は感じ 取るんで、はい、こちらも真剣なんです」

と噺家さんは、その事を説明されるか もしれません。カナダ人の落語家、桂三輝(サンシャイン)さんの 公演でも同様の体験をしまし た 。観 客 の 大 半 は 学 生 で 、あ る程度の日本語は知ってい ま し た 。し か し「 じ ゅ げ む じ ゅげむごこうのすりきれ」が 分かるとはとても考えられませ ん 。そ れ が 、話 が 進 む う ち に 、 皆 、 大 声 を 立 て て 笑 う の で す 。

「 で 、日本人はてーと申しますと、三輝さんの『じゅ げむじゅげむ』が、あまりに上手で金髪の噺 家さんがそこに居る事は忘れてしまうんで ございます。こうして日本から遠く離れて も落語が聞けるんですから、それはもう有 り難い世の中でございます」