「雨のことば辞典」倉嶋厚、原田稔 原本2000年、講談社文庫2014年

2016-03-02 13.26.49
テキサスは乾いている。雨が滅多に降らない。降れば土砂降り。

”It’s raining cats and dogs out there.”

のように、英語ではあたかも空から猫や犬が落ちてくるように土砂降りを言い表すが、なぜ、猫と犬が落ちてくるのかと聞かれても、はっきりした理由はわからない。17世紀のイギリスの詩の中に出ているそうだが、決定打はなく、様々な説があるらしい。

「土砂降り」をこの本では「非常に激しく降る雨」と定義している。もちろん、この”It rains cats and dogs.”についての説明もある。徳島県海部地方では、雨が降り続くことを「どしゃける」と言い表すのだそうだ。面白い。

隣のページには

「富下がり(とみさがり)」という言葉がある。正月の雨を「嫌だなー、せっかくのお正月なのに雨降りで」と文句を言うのではなく、逆に、めでたいと思う縁起言葉なのだそうだ。農業に携わる人にとって雨への思いは格別で「富が降ってくる」と考えたのだろうと。

アフリカのボツワナではお金の単位が雨を意味する「ブラ」なのだという興味深い説明もある。

気象庁主任予報官やNHKの気象キャスターを務めた倉嶋氏と、郷土史家の原田氏が1200に及ぶ雨に関する言葉、季語、地方の言葉などを集めた。所々に天気図や水蒸気、気圧、の専門的な解説があるかと思えば、俳句に関連する説明は短い読み物としても楽しめる。

目的なくページをめくって聞いたこともない瑞々しい言葉に出会えるると、宝を掘り当てたように嬉しくなる。