Monthly Archives: March 2016

ASA 我が街かわら版 「ひらめが見たテキサス(11)」

happy new year message
過ぎ行く時間と新鮮な驚き

今頃は年末の行事を終えて、ゆったりと新年の訪れを待っていらっしゃるところでしょうか。どのような一年を過ごされましたか?

「あっと言う間に過ぎてしまったなあ」と、仰る方が多いのではないでしょうか。

年取るほど過ぎ行く時間が早く感じられると言います。感覚的に、確かに私もそう思います。「5歳の子供が感じる1年は、50歳の人が感じる10年分に当たるらしいです」とも言われます。そう言われてもピンと来ませんが、過去の時間の感じ方について研究したフランス人がいて、その成果はジャネーの法則と呼ばれいると、最近知りました。彼が、理論を確立するために、5歳の子に、

「ちょっと座って。一年を振り返って、何を覚えている?一年は長かった、短かった?」と聞いたのでしょうかね。もっとも

「新鮮な驚きに満ちた毎日だった。怒られている時を除いて、まずまずの充実した時間を過ごした、だから僕にとって一年は結構長かったと思うよ。おじさんは、毎日マンネリ化した同じ事を繰り返しているから、一年が短かかったでしょう」

と答えたとは思えません。多分

「そんなの、わかんな〜い。もう行っていい?」

と子供は答えたと思うのですが、彼は5歳と50歳を例に挙げて、10倍違う時間の長短の感じ方を説明しています。

私の一年は羽田で始まりました。シンガポールからアメリカへの帰り道、乗り換えの6時間半をかわら版編集長の間山さんと羽田空港で過ごしました。あんみつを食べた後、別れ際に「テキサスの暮らしをかわら版に書きませんか?」と聞かれて「よし、800字の挑戦をするぞ」と自分に言い聞かせて、お引き受けしました。

毎月一回、題材を探しました。折々の風景の中で、子供が小さかった頃の驚きと喜び、また、苦しい体験なども思い出しながら過去を何度も訪れました。短くもあり、長くも感じた一年でした。これから迎える新年、皆様と共に5歳の子供が見る目を持って、新鮮な驚きを生活のコーナーに見つけて暮らしたいと思います。

A Happy New Year!

ASA 我が街かわら版 「ひらめが見たテキサス(10)」

日本語を勉強するテキサスの学生

テキサス大学で日本語を教えておられる知り合いから、「学生の日本語インタビューに答えてくれるボランティアを探しています」とメールが届いたので、手を挙げて出かけて行った。

2015-10-30 15.35.25アニメと書かれたテーブルに着くと、自己紹介の後、一人の学生が、日本語で

「アニメは好きですか?」

「秋葉原のイメージは何ですか?」

と次々に聞いた。

「メイドカフェとオタク」

と答えると、3人の男子学生は、してやったりという風に顔を見合わせて笑った。インタビューを主導したのは、長髪の自称「アニメオタク」で、残りの二人は私が 言った答えを書き取った。メ、メ、え〜とメイドとか言い、一字ずつ声に出し、カタカナを思い出しながら

次の質問は難しかった。

「萌えアニメについてどう思いますか?」

と聞かれても、「萌え」の知識がないので答えようがなかった。

「萌えがどういうものか分からないので、答えられない」

と言うと、3人は困ったような顔をして、

「子供の時にアニメを見ましたか?」

と質問を変えた。

「はい、見ました」

「それはどういうアニメでしたか?」

「鉄腕アトムです」

と答えると、3人で、「Astro boyのことだろう」と英語で話し合った。

「それは何がおもしろかったですか?」

と再び日本語になって、最後に

「アニメは日本社会に役立ちますか?」

と大きな質問になった。

「はい役立ちます。外国との文化交流に役立って、とても良いことだと思います」

と締めて、このテーブルのインタビューは終わった。

日本料理、日本での英語教育、大学入試などをテーマとするインタビューテーブルも次々に回った。食べ物については比較的簡単な質問で、答えも簡単だったが、大学入試などについては、質問の文章は簡単でも、真面目に答えようとすると、「いいえ。はい。何故なら」とは済ませられずに天井を向いて暫く沈黙した。

学生の方は「そんなに深刻にならずに早く答えてよ、金曜日の夕方、これから忙しいんだし」と内心思っていたかもしれない。それにしても、ゼロから始めて3年目でインタビューができるようになるのだから素晴らしい。若い柔らかい頭が羨ましい。

 

 

ASA 我が街かわら版 「ひらめが見たテキサス(9)」

人がワニとヘビを食う

「ワニがヘビを食う」「ヘビがワニを食う(丸呑みする)」という動画があります。人が「ワニとヘビを食った」という話もあります。その両方を食ったのは私ですが、戦っている二匹を一挙に仕留めて食ってしまったわけではなく、ガラガラヘビはテキサスの自宅で、ワニは、サウスカロライナ州のチャールストンのレストランで食べました。どんな味だと思いますか?

ガラガラヘビには、良い思い出ではありません。三人の子供がまだ小さい時、夫が友人達と起業をして金銭的にとても苦しい時期がありました。私は、明るく振る舞いながらも、陰で財布の中身を数えるような生活をしていました。そういう私に、ある日、夫が「はい、お土産!」と冷凍の皮を剥かれたガラガラヘビを差し出しました。

「ヘビ嫌いの私に、しかも、食べられる部分が少ないモノを買ってきて!」

と怒ると、

「可笑しがると思った」

と残念そうに言います。私は笑えずに、泣きました。体を貫く骨の両側に細いひものようにへばり付いている肉は、同じ体形でもウナギのようではなく、鶏肉のような食感です。二度と口にしたくはありません。

そういう出来事は覚えていない末っ子が最近、「三日続きの休みが取れるから遊びに来て」と誘ってくれたので、喜び勇んでチャールストンに飛びました。南部の海に面した湿っぽい場所柄のせいか、パステルカラーの細めのバーミューダショーツにポロシャツやワイシャツを着た男性と、綺麗なサマードレス姿の女性が目につきます。英国文化の影響が残っているのでしょうか。ブランチに行くのに、息子もショーツにワイシャツ、ヨット用の靴を履いて、カジュアルな姿でホテルに現れました。

2015-09-05 11.19.11 HDR - Poogan's Porch2015-09-05 10.34.29 - Alligator古い建物を改造したレストランのメニューにワニの揚げ物を見つけて、「その辺りの沼地で見つけたワニかしら」などど、冗談を言いながらピリ辛ソースと一緒に食べてみたら、仔牛とチキンが混じったような食感で、事前に知らされなければ、自分がワニを食べているとは 分からないと思いました。ガラガラヘビより、ワニの方が美味しいです。