Austin, Texas – ロック歌手のお母さんと知り合う

ロックコンサートの会場で歌手のお母さんと話すのは初めての経験だった。予期せぬことが数珠のように繋がった。

10月半ばの夕方訪れた近所のLonghorn Stakehouseは満席だった。待つのはやめて、バーで食べることにしたら、私の隣にピカン農家のビリーが座って、

「ぼくはこの辺(オースティン南部)に1970年代から住んでいるのよ、Home Depotがあるでしょ、あの隣。広い敷地だよ」とゴリゴリのテキサス訛りで説明しながら、「何、オーダーするの?」と聞く。

「う~ん、考えてる」という会話をしていると、ビリーの友達のビルが私の連れ、ディヴの隣に座った。彼はオースティン市内で楽器屋さんをしているとのこと。「オースティンはライブのメッカと言うけれど、音楽家の数がものすごく多くて競争がすごいよ。大変だよ」というような話を延々とした。

時々DJをする友達からも、大変だという話は聞いていた。すると、若いイケメンのお兄さんが楽器屋さんに話かけてきて、結果、11月1日の彼のロックコンサートに行くことになった。

バンドの名前はTequila Rock Revolution.

彼の名前はHaydn Vitera

 

 

 

オースティンのダウンタウンにある3Ten Austin City Limits Liveに行くと、赤いジャケットを着た白髪の女性が椅子にポツンと座っていたので、話をすると、彼女はバンドリーダーのHaydn のお母さんであることが分かった。一家総出で来ているようだった。

「クラシック音楽が好きだからHaydnと名前をつけたの。彼のバイオリンの先生は日本人だったのよ。私は毎週そのヒューストンの先生の所に彼を連れて行ったわ」という話をすると、Dia de los Muertosの白いフェースペンイントをしてクールにしているバンドリーダーが小さな子供になったような気がした。そして、

「もっと観客が来てくれるといいんだけど」とテストを受ける子供を心配するような親の顔になった。大半がメキシコ系やラテン系の観客で、マリアッチが程よく融合した音楽で踊ったり、体を揺すったりしていた。私も実にウキウキした良い気分でワインを飲みながら聞いた。

彼女はステージの近くに寄ってエレクトリックバイオリンを弾く息子さんの写真を撮っていた。