カリフォルニアでの結婚式。着物で踊る。

lovely という言葉で表現するのがぴったりの結婚式に出席した。宴席のデコレーションのテーマが「本」だったのは、花嫁・花婿の出会いの場がロースクールの図書館だったためだろう。花婿はこの結婚式の前日にカリフォルニア州から司法試験の合格通知を受けた。本人、既に試験にパスしている花嫁、それに出席者の全員が胸を撫で下ろし、かつ誇りに思った筈だ。

 

牧師が執り行ったセレモニーの場は木々に囲まれた緑深い戸外だった。結婚は一生をかけた二人の「スピリチュアルな契約である」的なことを延々と言っていたが、弁護士の二人は終始手を握り合い、途中何か呟きながら微笑んでいた。仕事に関係するような言葉を聞いて可笑しかったのかもしれない。その後、二人が自分の言葉で相手との出会い、その時の思い、誓いを読み上げて、指輪の交換で式は終わった。大抵の式次第は、このようなものなのだろうが、「厳か」とは違う「清い」感じがした。

ハンサムな花婿に私が一番最初に会ったのは、今から31年前。夫と私は結婚儀式を日本で仏式で挙げて、カリフォルニアではレセプションだけを、やはり戸外で行った。そこに連れてこられた彼はヨチヨチ歩きをしていた。髪の毛が燃えるように赤かったのが印象的だったが、あの色は大きくなるに従って変わってしまうんですね。私たちが東京に住んでいた時には、父親と一緒に黒いシャツ、サングラス、それに土管のような超ダバダバなジーンズで訪ねてきた。生意気な中学生時代。
スリムな体にフィットした、この日のスーツ姿を誰が想像できただろうか。別れた両親は会場でにこやかに会話を交わしていたが、これぞ大人の社交の仕方というものだろう。それぞれが共通のゴールに到達した境地なのかもしれない。これからも別々の場で、若い世代に含めてもらいながら、この先の人生を交わることはなく、いや、もしかしたら交差しながら送るのだろう。

パーティーでは、花嫁・花婿、それにお客さんがエネルギッシュに踊っていた。私も着物で踊ったのだが、花嫁さんが私を見つけて、「あなたがTomokoね、来てくれて嬉しい」と手を取って言ってくれた。私も音楽に負けずに大声で「おめでとう、私もすごく嬉しい」と言った。長いこと飲んだり、踊ったりしていたのだが、さすがに音と若いエネルギーに圧倒された我がグループは二人に幸多かれと願いながら会場を後にした。