Monthly Archives: December 2017

2017年Austin Asian American Film Festival

Austin Asian American 映画祭に参加しているドキュメンタリー映画を3本立て続けに観た。と言ってもショートドキュメンタリー部門なので、各々が15分程度の短いものだった。

この短い時間の中にテーマと芸術性を凝縮させて編集するのは骨の折れる作業だっただろう。最近PBSで放映されたKen BurnsのThe Vietnam Warsのドキュメンタリーとは全く反対のものだ。18時間10エピソードでは製作関係者も疲れただろうが、観終えたこちらも疲れ果てた。よく頑張ったと判子を押して欲しいくらいだった。それと比較すると、これらは一瞬の風の便りのようなものだった。

 

 

Jazz Abroad – Director : Yuta Yamaguchi

監督は日本人のYuta Yamaguchi。ボストンのバークリー音楽大学で出会った日本人女性3人のジャズトリオを追ったものだ。タフでしなやかな「超えた」人たちは音楽による一期一会のお互いの会話を聞き手と共有する、という感じだ。

声の代わりにピアノ、ベース、ドラムスがあり、3人のいずれもが音楽を世界の共通語と捉えている。違いは個性、近寄れるし融合できるというメッセージを受け取った。因みにドラムスのMasumi Jonesさんはオースティン在住で、時々Elephant Roomなどで演奏されるようなので、生の声(音)を聞きに行きたい。

Weaver of Imagination – Director: Sadegh Jafari

ペルシャカーペットの精緻なパターンを織り込むのは例え目が悪くなくとも難しいだろう。それを視覚障害を持つ男女のグループが点字を使いながら、想像力を羽ばたかせながら織っていく、その彼らの日常を淡々とカメラが捉えている。

夫も妻も視覚障害の二人が市場でスイカを買うシーンが良い。夫が、

「真っ赤なスイカをくれ。音でわかる」と言って、渡されたものを叩く時のやり取り可笑しい。「友達っていいよね」「神が助けてくれる」と言った小さな言葉は重みがあり、「かわいい」「励まされた」と言う人もいるだろうと思えるシーンが幾つもある。大げさではなく、文句を言うでもなく、好ましい生きる姿がある。3本の映画のうちで最も良かった。

Other – Director: Peter Trinh

静かで文句を言わず権威者に従うアジア人。アメリカで影のような位置にいるアジア人、それでいて差別をされると感じているアジア人の声を綴ったものだ。

日本人は登場しない。余りに少数過ぎてインパクトがないか、「問題意識が低過ぎ」てインタビューの対象にならなかったか、インタビューはしたものの

「別に、差別って同じ人種の中でも起きるし、問題の本質を明らかにする事が大切じゃないかな、本当に人種に起因した法的な問題か、感情的なものなのか」と、テーマの熱気を冷ますような事を言われて編集でカットしてしまったのかな、などと想像した。1〜5点のうち、3点をつけた。

Austin, Texas – 「Street」 という名前の日本食レストラン

Streetに飾られている着物

「オースティンで一番美味しい和食レストランはどこですか?」と1990年にこの街に引っ越してきて以来、何度も聞かれた。答えるのは難しい。初めは、あーだ、こーだ言うほどレストランがなかった。 それが、最近はショッピングセンター毎に、寿司バーがあり、ラーメン屋さんなどもできて、「オースティンで一番美味しい和食レストラン」を探そうとしたら、毎週3、4回は食べ比べしないといけないほど増えたため、「私の好きなレストランは、、、」と答えている。

当初は「武蔵野」と答えていた。日本人板さんもいて、テキサスで有名な高級「日本食レストラン」UCHIを展開するTyson Coleが修行した場所として知られている。

「しょうゆのつけ方が悪い」とか、「割り箸をそうやって割るな!」とお客さんに講釈した気難し気な職人肌の板さんもいた。

ずっと行かずに遠ざかっていたのだが、久しぶりに訪れたら、Streetという看板がかかっていた。が、日本食レストランだった。

「まあ、いいか」と同行者とドアを開けると、店内のレイアウトはすっかり変わっていて、中央でヒスパニック系のシェフ二人が黒いユニフォームと黒い帽子できびきびと働いていた。気難し気な板さんは最早いなかった。それだけでなく、お客さんも白人ばかりで、アジア人は私一人。

最近低糖食にしていることもあり、焼酎をメニューに見つけて試そうとすると置いていなかった。獅子唐は「ほらよっ!」と丼一杯に入れずに、串に刺して、しいたけも、鰻も串に刺して焼いていた。酢の物には大葉が飾られていた。シェフはきっと、武蔵野で長いこと働いて、店を持ったか、任されているのかもしれない。味はまずまずだった。これ、何だろう?と思えるタレに浸かったハマチには赤っぽいハラペーニョの輪切りが乗せられていた。和食もローカルの味に変わってきているのだろう、あの、みっちりと具の詰まった、マヨネーズのかかった太巻きのように。

サバの握りを頼むと、「ごめんなさ〜い、サバはないけど、シマアジはどうですか?」と提案したウェイトレスはどうも日本人らしく条件反射のように「はい」と応えてしまうのだが、初めから終わりまで英語だけで通した。