Monthly Archives: December 2017

クリスマスプレゼントは鍋釜、コンピューター、それにマッサージ機

フォンジュ鍋

人が集まる時には欠かせない大型炊飯器

よほど食いしん坊の母親か妻だと家族から思われているようで、過去何年かのクリスマスプレゼントに鍋のセットや、電気釜、フォンジュ鍋、アイスクリームメーカーなどをもらった。コンピューターやマーケットに出たてのデジカメのこともあった。それに各種のマッサージ機も。足をブルブル震わせたり、肩を揉むための器具だったり。

 

2回くらい使ったか、パスタメーカー

皆さんのご家庭にも、あまり使わないジューサーや、ブレッドメーカーはないですか? たいてい1度や2度勢いよく試して、結局お気に入りのパン屋さんで買ったほうが簡単だという予測通りの結論が出されて、静かに棚の奥にしまい込んでしまったような調理器具の数々。

今年の調理器具はスタートのボタンを押すとピーッと鳴って、「アマリリス」の音楽が出来上がりを知らせるようなローテックなものではなくて、スマホにレシピーをダウンロードして、きっちりと温度と時間をコントロールして調理するSous Vide(スーヴィード)という、一見、マッサージ機に見えるものをもらった。

一瞬新しいマッサージ機かと間違えた調理器具 Sous Vide (スーヴィード)

肉や野菜を切って、ストックを加えて後は5、6時間コトコトと何もしないで煮込むだけのクロックポットや、肉や魚をアルミホイルに包んでオーブンで焼くと言った、その場に付き添っていなくても「材料を投げ込んだ後は器具が勝手にお料理してくれる」種類の調理方法だ。スーヴィードは早く言えば、温泉卵のように、熱めのお風呂に肉や魚にもゆっくり浸かっていただいて良い塩梅に仕上がっていただく。ただ、卵と違って、生身の肉、魚や野菜にはプラスティックの袋に調味料と一緒に入ってもらう。

ゆで卵を試してみた。45分61°Cのお湯に浸かった卵は例の温泉卵になった。もう少し長くやればポーチトエッグができるはずだ。このあたりを気分でやらずに、データ化したレシピーでアプリで、きっちりコントロールするというところがこの器具のみそのようだ。

Sous Videで温泉卵を作ってみる。

ビデオで見る限り、出来上がった湯上りのすべすべのお肌の肉は、いくら柔らかくて美味しいと言われても、今一つ食いつきたくなるような表情はしていなくて、熱したフライパンで表面を焼いて焦げ目をつけることになるようだ。なるほど。

プロフェッショナルな世界では既にこの調理法が知られていると説明されていたが、きっとホテルで開かれる大宴会などでは、時間に合わせてビーフをお湯で調理して、タイミング良く、焦げ目をつけてソースをかければ手間暇が大いに省けるということが想像できる。

昨今は料理も「ちょっと忙しくて手が離せないからグツグツ煮立ってきたら教えてね」などと誰かに頼んだりしないで、無言でスマホとのやりとりになる作業か。

「あなたって、家事を何にも手伝ってくれないんだから、、、」

と言う奥さんにルンバで掃除の部分を手伝わせている男たち。料理の部分はこれで解決だ。実は、奥さんの文句はもっと深いところにあるんだけどね。

「後でセットアップしてやるよ」という夫に、

「私、自分でやってみる」と断った。

今年も湯船に浸かったまま、マッサージできるボールも、もらった。しかし、誤ってCOOKされてしまわないように、それはお風呂では使わないつもりだ。

Austin, Texas – 忙しいけれど焦らない。イライラしない。

Oak Hill Post Office from Wikimedia Common

「それで、僕は78年(1978年)に卒業したんだけどさあ」とのんびりとお客と会話をする白髪の郵便局職員。一年で今が一番忙しい時期だ。会話をしながらお客さんが持ち込んだ山のようなパッケージを次から次に処理している。会話の相手の女性は笑って聞いている。

列は長い。皆静かに待っている。私は待つことを予想して本を持ってきていた。番が回ってくると、

「辛抱強く待ってくれてありがとう」と言った。

「お待たせして申し訳ありません」ではない。

「これの中身は本、こっちは中国行きの本」とカウンターに次々に幾つかの封筒を乗せると

「と、も、こ。日本人だよね」

「よく分かったわね〜 とみ子が多いんだけど、時にはトマトって言われることもあるのよ」と言うと、

「アメリカ人は何も知らないからなあ。僕は俳優のTakashi Shimura (志村喬)が好きなんだよ。音で何となく日本語かどうか分かるんだ」

彼はクロサワ映画の「七人の侍」より何より「生きる」が好きで、見るたびに泣くという。ゴジラの話にもなった。そんな会話を6、7分、郵便物を計量したり、郵送料を説明したり、スタンプを貼りながら話した。全てが終わると” Have a good afternoon!”と言って別れた。長い人の列に焦ることもなく、淡々としてお客の相手をしている。イライラした顔の人もいないが、ことによると、黙りつつもYelpのようなソーシャルメディアで低い星をつける人がいなくもない。まあ、いないだろうな。そういう場所だ。

 

 

 

 

 

2017年Austin Asian American Film Festival

Austin Asian American 映画祭に参加しているドキュメンタリー映画を3本立て続けに観た。と言ってもショートドキュメンタリー部門なので、各々が15分程度の短いものだった。

この短い時間の中にテーマと芸術性を凝縮させて編集するのは骨の折れる作業だっただろう。最近PBSで放映されたKen BurnsのThe Vietnam Warsのドキュメンタリーとは全く反対のものだ。18時間10エピソードでは製作関係者も疲れただろうが、観終えたこちらも疲れ果てた。よく頑張ったと判子を押して欲しいくらいだった。それと比較すると、これらは一瞬の風の便りのようなものだった。

 

 

Jazz Abroad – Director : Yuta Yamaguchi

監督は日本人のYuta Yamaguchi。ボストンのバークリー音楽大学で出会った日本人女性3人のジャズトリオを追ったものだ。タフでしなやかな「超えた」人たちは音楽による一期一会のお互いの会話を聞き手と共有する、という感じだ。

声の代わりにピアノ、ベース、ドラムスがあり、3人のいずれもが音楽を世界の共通語と捉えている。違いは個性、近寄れるし融合できるというメッセージを受け取った。因みにドラムスのMasumi Jonesさんはオースティン在住で、時々Elephant Roomなどで演奏されるようなので、生の声(音)を聞きに行きたい。

Weaver of Imagination – Director: Sadegh Jafari

ペルシャカーペットの精緻なパターンを織り込むのは例え目が悪くなくとも難しいだろう。それを視覚障害を持つ男女のグループが点字を使いながら、想像力を羽ばたかせながら織っていく、その彼らの日常を淡々とカメラが捉えている。

夫も妻も視覚障害の二人が市場でスイカを買うシーンが良い。夫が、

「真っ赤なスイカをくれ。音でわかる」と言って、渡されたものを叩く時のやり取り可笑しい。「友達っていいよね」「神が助けてくれる」と言った小さな言葉は重みがあり、「かわいい」「励まされた」と言う人もいるだろうと思えるシーンが幾つもある。大げさではなく、文句を言うでもなく、好ましい生きる姿がある。3本の映画のうちで最も良かった。

Other – Director: Peter Trinh

静かで文句を言わず権威者に従うアジア人。アメリカで影のような位置にいるアジア人、それでいて差別をされると感じているアジア人の声を綴ったものだ。

日本人は登場しない。余りに少数過ぎてインパクトがないか、「問題意識が低過ぎ」てインタビューの対象にならなかったか、インタビューはしたものの

「別に、差別って同じ人種の中でも起きるし、問題の本質を明らかにする事が大切じゃないかな、本当に人種に起因した法的な問題か、感情的なものなのか」と、テーマの熱気を冷ますような事を言われて編集でカットしてしまったのかな、などと想像した。1〜5点のうち、3点をつけた。