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「60歳までに知らないとヤバい定年再雇用の現実」榎本雅一

「60歳までに知らないとヤバい定年再雇用の現実」榎本雅一 2014年

読めば確実に役立つに違いない。が、積極的に手にしたくはない部類の本だろう。

20〜30代の人で、この本を読んでみようとする人は、人事部に勤務する人か、心配性の人だろう。

40代は仕事が忙しくて、いかにしたら売り上げを伸ばせるかの本を読むので忙しいだろう。本当は読んでおくべきだが。

50代に入ると、早期退職、一時解雇、追い出し部屋など景気の悪いニュースが目に入り、現実直視より、現実逃避をして、経済セミナーなどに時間を費やすかもしれない、心の片隅で読まなくちゃいけないと思いながら。

この本を読むと、日本は何と優しい国というか、思いやりのある国というか、同時に、お上が下々に問題を押し付ける国かとも思う。

アメリカは無感情に「あなたは必要ありません」と私有物を箱に詰めさせて、会社から出て行かせる。前に、メディア/テクノロジー系の日本の会社の追い出し部屋の話を読んだ時に、何と親切な企業かと驚いた。その部屋にいるのは無念かもしれないが、2年もサラリーを貰えるのだから、その間に無我夢中で勉強すれば、新しい技術をキャッチアップすることもできるだろうに、何をぐちぐち文句を言い、それをリポートしている記者も、会社に全責任があるような事を書いていて、無責任だと感じた。アメリカだったら、喜んで追い出し部屋に動く人がいるのではないかとも思った。

この本で著者は多くのデータと図を使って高年齢者雇用安定法を説明した後、

  • 高年齢者雇用アドバイザーの仕事(そういう専門職があることを知らなかった)
  • 再雇用の実態、よく言われているところの、「高齢者は豊富な知識と体験を備えた得難い人材」は本当かどうか
  • エラソーに「僕のスキルは部長をやることです」などと言い出す勘違いの高齢再雇用者から、自分の立場をわきまえて重宝がられている人などの事例を挙げて、再雇用の現場で上手くやっていくためのポイント
  • 高齢者が起業をする際の注意点
  • 企業、本人、社会への提言

を書いている。

歳取ることは、どこの国に住んでいようが避けて通れない。制度は異なったとしても、参考になる点を見出すと思う。